歩き旅途中断念と大反省会
曽爾高原で倶留尊山に登り、室生まで歩いてきましたがこの先の行程を諦めることになりました。
諦めたのは以下の行程です。
室生 → 室生ダム → 戒長寺 → まほろば湖(初瀬ダム) → 長谷寺 → 大神神社 → 三輪駅
自分の体力に見合った計画だったのか?
今回は曽爾高原から三輪まで歩くことを目標にしていました。ここで、曽爾高原に俱留尊山(1038m)があることを知り、せっかくなので登ってみたくなりました。紅葉の時期でもあり、途中の稜線も気持ちよさそう、と思ったからです。なかなか奈良まで低山を登りに来る機会もないので、このチャンスに登りたいと思いました。
誤算1 スペイン巡礼から帰国して2週間で今回の歩き旅に出ました。今までこのような短いスパンで次の旅に出たことはありませんでした。まだ、体の疲れが十分に取れていなかったのと、歩き馴らしもせずに次を歩き始めたため、体力がついていきませんでした。
誤算2 低山とはいえ、倶留尊山は山登りです。私は今まで泊まりのバックパックを背負って山に登ったことがありませんでした。僅かな荷物の負荷が加わることによって体力を一段と使うことを計算に入れていませんでした。
これらのミスから、俱留尊山から下山して曽爾高原を歩いているときから膝に違和感がありました。更に曽爾村まで下りた時、そして翌朝には今まで感じたことがない”脚に力が入らない状態“になっていました。平地を歩いていても太ももの下の膝と繋がる部分に全く力が入りません。歩き方もぎこちありません。
それでも歩いていれば、いつもの調子が戻ってくると思い歩き始めましたが、結局回復はしませんでした。
自然との向き合い方は正しかったのか?
誤算3 印を見落とす。東海自然歩道②に書きましたが、途中で印を見落としたまま笹薮を突進してしまい、山の急斜面に出てしまいました。上にも下にも先にも道らしきものはなく、藪に入る前に横を流れていたのはせせらぎだったのに、そこではかなり下には結構しっかりした川が流れています。ここで足を滑らせたらあの流れに落ちるのか、と流石に少し不安になりました。
誤算4 印の見落としは戻ってクリアできましたが、一番ショックだったのは、自分が持ってきた地図が全くあてにならなくなっていたことです。東海自然歩道の標識自体はしっかりしていて、所々に現れてくれるので迷うことはありませんでした。それでも自分がどこで間違えて、現在どこにいるのかが分からなくなった!と自覚した時が一番堪えました。
他の道との合流点や川と道の蛇行を鑑みて持参した地図を見てみても、自分の位置がさっぱり分かりません。”ここだ”と思っても、次に出てくる合流点が一致しません。
東海自然歩道②でも記しましたが、今回のルートを歩くに当たっては色々な地図を参考にしました。前述した奈良県が出しているパンフレットにも地図はありますが1:120,000のざっくりしたものです。その他、国土地理院の地図、ヤマップの地図、環境省の東海自然歩道マップ、インターネットで見つけたrenger-kのマップ、そしてトレイルブレイズハイキング研究所のGPSトレッキングルートデータなどを参考にしました。
上記のようなデータを参考にして自分で国土地理院の紙の地図にルートをプロットしていったのですが、それが正確ではなかったということです。
これですっかり自信を無くしました。曽爾村から室生までは東海自然歩道の標識がちゃんとあります。ほぼ一本道です。でも、明日も同じとは限りません。
自然を軽視したつもりもなく、自然の中を歩くことを自分なりにしっかり意識してきたつもりです。曽爾村から室生までの「山の中で独りぼっち」も決して嫌だったり、怖かったりしたわけでもありません。東海自然歩道が一部荒れているのも事前に聞いていたので、人が入らずに山が荒れる、というのはこういう事かと実感をすることができました。このまま歩き旅続行もできたかもしれません。一方では、体調に不安があり、しかも自分の位置を把握できないまま続けて良いのかと悩みました。
また、室生でリタイアするにしても、室生口大野駅までは東海自然歩道で行かれるはずと思いましたし、地元の方にも、「宿泊先から2kmくらい登れば峠について、後は下りばかり」と聞いていました。しかし、宿の主から「その道も荒れてしまっていて、この間も苔のついた石で転倒して怪我をした人を運ぶのにドクターヘリを要請して、結構な大事でしたよ」と言われました。荒れた道ももちろん織り込み済みですが、今のままで歩けるかを考えた時、次のチャレンジに取っておくのも選択肢と思いました。
結局私は室生でリタイアすることにしました。
翌日はバスと電車で長谷寺と前回行きそびれた石神神宮を巡りましたが、両足の中指が腫れてずっと痛みを感じながら歩きました。スペイン巡礼路を歩いてもこんなことは一度もなかったのに、気づかないうちに無理をして歩いていたのかもしれません。
ほろ苦い東海自然歩道デビューになりましたが、次の機会に向けての最初の一歩になったと思います。