青木ヶ原樹海
何年か前にNHKの番組「ブラタモリ」で青木ヶ原樹海が放映されました。
青木ヶ原樹海と言えば明るいイメージはないし、トレッキングコースのイメージもありませんでした。樹海に入ったら最後、少しでも道に迷おうものならば二度と出てこられない。そんな印象でした。
しかし、「ブラタモリ」では樹海の成り立ちや植生などが紹介されており、とても興味深かったし、調べるとツアーもたくさんあり、風穴や氷穴も今や観光地となっていることが分かりました。
そして何よりも、このトレッキングコースが”東海自然歩道”の一部であることに驚きました。ふとしたきっかけで奈良県から歩き始めた東海自然歩道。まだ奈良県しか歩いておらず、次はどこを歩こうかと思っていた矢先でした。
東海自然歩道は日本のナショナルトレイルとして、また初めての長距離自然歩道として1974年に開通しています。東の起点は高尾山から西は大阪府の箕面までの1343㎞。そのトレイルの一部がまさか青木ヶ原樹海を通っていたとは。
今回のトレッキングはわずか10㎞足らずですが、青木ヶ原樹海に足を踏み入れてみたいという希望を叶えるトレッキングになりました。
行程 9.9㎞ 3時間半
風穴バス停 → 富岳風穴(東海自然歩道に合流) → 城山登山道 → 本栖湖観光案内バス停
風穴バス停までは、河口湖駅から富士急バスで約50分です。
バス停前には森の駅風穴があり、売店そしてトイレがあります。この横が入口になりますが、ここは風穴の中に入る施設と同じ入口でもあるため、多くの人がいます。
入口に人は多くても実際に青木ヶ原樹海を歩く人は殆どいません。富岳風穴から先は静かなトレッキングコースです。
トレッキングコースに入って直ぐに気づくのは、足元の地面が溶岩であることです。ごつごつとして黒い石・岩を踏んで進みます。
両脇の森は鬱蒼としてしています。地面や木の幹は苔に覆われています。木々を観察すると、その成長の過程で過酷な自然環境を乗り越えてきたことが分かります。
青木ヶ原樹海を覆う地面は殆どが溶岩で、土の層はごく薄いものだそうです。その薄い土の上にどのように木々が成長したのでしょうか。
木々の根が地表に這っています。これは溶岩の上についた苔を養分にして育っているからだそうです。また、木の幹の底が少し浮いていて、そこから太い根が這っているものもあります。これらはかつて倒木の上に新しい木が生え、倒木を栄養にして成長し、やがて倒木は腐って無くなったためその部分が空洞になっているのだそうです。倒木を栄養にしている間に根を遠くまで這い伸ばして今の立木があるということでした。
そう思って見ると、どの木も過酷な自然の中で生き残るために懸命に戦ってきた痕跡があります。
狭い溶岩の隙間に根を滑り込ませるもの、他の木に寄りかかりながら上に伸びるもの、一旦直角に幹を曲げてから上に伸びるもの。
更に倒木の幹には既に新しい木が根付いています。何十年後、何百年後には立派な木に成長しているかもしれません。




不思議な植生がトレイル沿いに続きます。
今回歩いた行程の2か所で地底から冷たい風が吹き出ている所がありました。1か所はトレイル脇の窪みに手をかざすと、そこから冷たい風が吹き出ていました。もう1か所は周囲一帯が冷たく、どこからか冷風が出ているようでしたが具体的な場所は特定できませんでした。


トレイルには一定間隔で標識や案内板があり、整備された道に沿って歩いていれば迷うことはありません。


今回は10㎞程の間にすれ違ったのは僅か2組とランニングで追い越していった学生らしきグループが一組だけでした。せっかくのトレイルがあまり使われていないのは残念です。
更にちょっとだけ残念な点は、トレイルを地図で見るとすぐ横を国道139号線が走っていて、今回のトレッキングは日曜日だったこともあり、多くの区間で車の走行音が聞こえていました。もう少し静かな環境で歩きたかったのも事実です。
今回の目的地である本栖湖観光案内所は日曜日にも関わらず、閉まっていました。どうやら閉館中のようです。案内所には入れませんが本栖湖観光案内所バス停前には駐車場があり、トイレが設置されています。
また、本栖湖観光案内所の隣には「本陣つかさ」という食堂があるので、今回はそこでおそばを食べてバスの時間まで過ごしました。
青木ヶ原樹海は一度足を踏み入れたら二度と出てこられない、というイメージは完全に払拭されました。
富士山の噴火の歴史と自然の力を感じられる3時間ほどで歩ける趣のある楽しいトレイルでした。
今回の動画をInstagramに掲載しています。そちらもご覧いただければ幸いです。(東海自然歩道・青木ヶ原樹海)
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