断じて低山ではないけれど、この項目に入れるしか...
という訳で、憧れの山, 念願の山、「大菩薩嶺」を登りました。
そもそもがその山名、「大菩薩」とはいかにつけられたのか、その由来が気になる山です。
「奥州に遠征した折、木こりに化けた軍神の導きで無事に山越えできた甲斐源氏の祖、新羅三郎義光が、軍神の加護に感謝し、「八幡大菩薩」の名を高らかに唱えたという伝説が、この山の由来と伝えられています。」(甲州市観光協会 ぐるり甲州市ホームページより)
源義光は1045年の生まれとされているので、活躍したのは平安時代後期、11世紀です。そのような歴史にも思いを馳せながら登るのも楽しみの一つです。
大菩薩嶺はアクセスが難しいので、新宿からバスで行くクラブツーリズムのツアーを利用しました。
ルートは
上日川峠駐車場 → 唐松尾根 → 雷岩 → 大菩薩嶺(2,057m) → 大菩薩峠 → 上日川峠
およそ7.6km、5時間40分のコースでした。
上日川峠の駐車場(1,600m)で登山の準備をしてから10時少し前にスタートです。スタート地点の長兵衛山荘にはスズランが咲いていますた。先ずは福ちゃん荘を目指します。
なだらかで整備された登山道を登っていきます。登山道の両側はクマザサです。
25分ほどで福ちゃん荘(1,720m)に到着です。とても優しいお顔のお地蔵様が迎えてくれます。そしてここまで登ってくる間にも、笹に覆われていない所にはスミレが咲いています。
福ちゃん荘がある場所は分岐になっています。今回は唐松尾根を通って大菩薩嶺を目指します。
名前の通り、唐松が茂るなか、とてもきれいな登山道が続きます。最初はなだらかにな登りでしたが、空には雲がかかり、景色が見られるかが心配でした。徐々に急登になっていくとともに、空の雲が切れてきました。そして標高が上がるにつれて南アルプスがみえてきました。景色がどんどんと良くなります。気付くと、木々の間から富士山が見えました。
感動しましたが、ここからが始まりでした。この日は大菩薩嶺の周辺の雲は高い所にあり、視界を遮ることはありませんでした。一方、富士山の裾野の当たりには雲があるものの、五合目辺りから上はスッキリと晴れていて、裾を広げたような正に八の字型の稜線はっくっきりと見え、山頂には未だ雪が頂いたいました。これから先、更なる大パノラマが繰り広げられます。
唐松の樹林帯を抜けると石・岩場を少し登ります。眺望も開け景色が更に良くなります。もうすぐ雷岩です。
雷岩は富士山に向かって展望が開けていますが、ここが山頂ではありません。雷岩にリュックを置いて大菩薩嶺山頂まで行きます。山頂までは樹林の中を登ります。15分程で山頂に到着しますが、樹林に覆われていて展望はありません。「大菩薩嶺 二〇二七m 日本百名山・山梨百名山」の新旧二つの標識がと三角点が立っています。山頂には虫が多く、記念写真を写して早々に下りました。
雷岩まで戻り、お昼ご飯です。大菩薩嶺の山裾には緑の森と人造湖、少し先には甲府盆地とそこにうっすらと見える街並、西には南アルプスの山々、そして南、正面に富士山を望みながらの贅沢なお昼ご飯です。
昼食後に雷岩を越えた開けた場所で再び景色を眺めると、更に眺望が広がっていました。
南アルプスの中腹までは雲がかかり雲海が漂っていましたが、山頂辺りはくっきりと晴れて山脈の稜線がしっかりと見て取れます。山々の山頂には雪が残っており、その雪が陽に照らされてキラキラと光っています。
富士山を取り巻く低い山々には薄っすらと雲海がたなびいています。そして、私たちがいる所では鹿が2頭、逃げることもなく餌を食んでいました。長閑な光景です。
この後は尾根沿いに大菩薩峠へと下っていきます。一部岩場がありますが、険しい所はありません。周りには一面クマザサが群生しています。
さいの河原避難小屋まで砂利道を下り親不知の頭を通り大菩薩峠に着きました。ここには介山荘という小屋があります。飲み物や食べ物、お土産を売っています。コーヒーが美味しいと聞いていましたが、この日は残念ながら売切れでした。
この後は緩やかな歩き易い下りが続き、分岐地点の福ちゃん荘に戻り、上日川峠駐車場まで下ります。上日川峠駐車場には15時35分に戻りました。
今回の大菩薩嶺登山は何よりもお天気に恵まれました。富士山をはじめ、南アルプス、奥秩父、八ヶ岳などが一望できました。山岳ガイドの方に引率して頂いたので、適切に休憩があり、良いペースを維持しながら歩き切ることができました。ガイドさん直筆のイラストマップも分かりやすくて重宝しました。なによりのお土産です。登山道中は危険な箇所はありませんでしたし、景色を楽しみつつ山々の紹介を聞きながら最後まで歩けたのがとても良かったと思います。
山岳ガイドの方から「朝から下山までこのお天気と眺望は、何度も来ていますがなかなかありません」と聞きました。八幡大菩薩様のお恵みを頂戴した一日でした。