「天空の鳥居」という言葉に魅かれて調べてみました。
そこは富士山の遥拝所で、鳥居の向こうに富士山が見えるというのです。是非行ってみたいと思いました。
きりりとした冬晴れの空。鳥居の向こうに富士山がくっきり見えたらいいな、と思って出かけました。
天気予報は生憎の小雨。それでもお昼ごろには止むという予報です。
新宿から高速バスに乗りましたが、バスが山梨に入り、トンネルを抜ける毎にうっすらと積もっている雪が段々とその嵩を増してゆきます。
河口湖駅に着く頃にはすっかり雪景色になり、ちらちらと雪が降っています。駅前の温度計はマイナス0.6℃の表示です。
駅から路線バスに乗ること約10分。河口浅間神社の最寄りのバス停で降ります。ここでも雪が降っていますが、朱色の大鳥居をくぐると、雪に覆われた浅間神社はキリリとした空気に包まれて清々しい境内です。参道の両脇には杉が並んでいます。山門の黒瓦も雪で白くなっていますし、葉が落ちた木々の枝にも雪が積もり、白い木々が並んでいます。山門の先には七本杉のうちの一本があり、これも雪化粧をしています。
先ずは参拝をします。拝殿の屋根には更に雪が積もり、軒先から今にも落ちそうです。
御祭神は木花開耶姫命。そして浅間大神が祀られています。
ここで、雪が更に降ってきたので、着ていたダウンジャケットの上に雨具を着込み、レインパンツも着用してザックにもカバーをかけました。
雪景色の美しさにワクワクしながらあちらこちらを見て回りました。ここの雪質はさらさらでもなく、水分を含んだもっちりタイプでもなく、どちらかというと氷タイプの、結晶がそのまま降ってくるような雪です。




社務所で遥拝所への道を伺うと、「良かったらその先の母の白滝まで行ってみてください。今凍っていてとてもきれいですよ。足元には気を付けてくださいね」と教えていただきました。
雪の舗装路を歩いて登ります。所々少し凍っていますが、今日は”雨”に備えてミドルカットの登山靴を履いてきたので問題なく歩けました。舗装路は車の通り道だけが雪が溶けているところと、道路全体が雪に埋もれているところがあります。
歩くことおよそ30分、天空の鳥居に到着です。空も地面も周りの木々も真っ白です。ここに来るまでも舞っていた雪が少し強くなりました。
道路から張り出した平らな地の先端に二つの朱色の鳥居が建っています。雪をかぶった鳥居から、お天気が良ければ富士山が見えるはずでしたが、この日は真っ白です。それでもこの一面の美しさにしばし見とれてしまいました。雪の日に外歩きなどしたことがなく、初めて見る景色です。
天空の鳥居での感動のまま先を進みます。途中から滝へ向かう道に逸れますが、ここから先は5㎝ほど積もった雪の中をザクザクと歩きます。雪の下は舗装路のようですので、登山靴であれば安全に歩けます。
入口から5分ほどで水の音が聞こえてきました。
滝の手前には赤い小さなお堂があります。しめ縄がかかっていますが、しめ縄に並行して一本の蜘蛛の糸が張ってあり、その糸の所々に雪の粒が付いていました可愛らしい天然の締め縄です。
その先には母の白滝です。水量の多い一部分からは勢いよく水が流れていますが、周りは固く凍っています。氷瀑です。丸く凍っていたり、氷柱状に凍っていたりと自然が織りなす美しい情景です。河原にもたっぷりと雪が積もり、白の世界が広がっています。





帰りは同じ道を引き返しましたが、良く見ると周囲は桜の並木です。春には桜の花びらが舞う道になることでしょう。
河口浅間神社から“ほうとう”のお店まで歩いていきました。鉄鍋で出てくる熱々のほうとうが冷えた体に染みわたります。ほうとうなのにカボチャ少な目がちょっと残念でしたが、しっかりと温まり、お腹を満たしました。


鳥居の向こうにくっきりと富士山!とはいきませんでしたが、白いベールの向こうに富士山を想像しながら美しい雪景色に心奪われた一日でした。
春、桜の季節も楽しみです。

Instagramに動画を投稿しています。合わせてご覧いただければ幸いです。 天空の鳥居