小仏から高尾山へ

低山ハイク

高尾山を歩きつくす!の第4弾。梅雨入り前に登ってみました。

行程

高尾駅 → (京王バス)小仏登山口 → 小仏峠 → 小仏城山 → 高尾山→ 稲荷山コース経由 → 高尾山口駅 (約3時間半のコース)

高尾駅北口からバスに乗りましたが、バス停には既に40人ほどが並んでいて平日にも関わらず増発便が出ました。

小仏バス停前には「小仏峠」の表示があり、20分程舗装路を歩くと登山口に着きます。入口には「ツキノワグマに注意」の看板がありました。ちょっとドキドキですが先ずは小仏峠を目指します。

なだらかな山道を進みます。最初は川の爽やかなせせらぎを聞きながら登ります。せせらぎが止むころには笹と杉の林が交互に出てきます。40分くらいで小仏峠に到着。小仏城山までは残りわずか0.9kmです。

お花も減り、緑がすっかり濃くなった山道を歩きます。この日は少し曇り空でしたので暑くもなく時折山を抜ける風が心地よいハイキング日和でした。

小仏峠から小仏城山に続く道沿いに休憩所がありますが、そこから見える山並みの向こうにひょっこりと富士山が見えました。周囲に雲がありましたが、まだまだ雪を多く頂いた姿はとてもきれいでした。

2日前に降った雨で所々にまだ泥濘がありましたが、その分木々の緑も濃く、苔も生き生きとしていて、日陰の緑も楽しみながら歩けました。

程なく小仏城山(670.3m)に到着です。出発して1時間と少しですがここにはお茶屋さんもあり、またベンチもたくさんありますので一休みには良い所です。私は持参したアンパンと温かい紅茶で一休みしました。

トイレも完備されていますが、バイオトイレです。

この先は植物をみながら一丁平園地を経由して高尾山山頂を目指します。

途中でみつけたびっしりと密集した緑の実らしき少し気味の悪い植物は、調べたところ4月に花を見かけたミミナガテンナンショウの実でした。今は緑一色ですが、後に徐々に赤に変わっていくそうです。果実には有毒な物質が含まれているので”食べたら危険”だそうです。

このほか白いウツギの花やギボウシの葉があちらこちらで見られました。

小仏城山から1時間半もかからずに高尾山に到着です。平日でしたが、山頂は人も多くまた遠足?に訪れる中学生がたくさんいました。この日はあいにく、高尾山山頂からは富士山は見られませんでした。

稲荷山コースを下る

高尾山からの下山ルートは、冬の間に整備を終えて4月から開通した稲荷山コースを歩いてみようと思っていました。冬の間に整備されたと聞いていましたので、どのようになったのか辿ってみました。

整備されたコースは多くの部分が板敷きのステップになっていました。このステップには賛美両論があると思います。ステップ状の階段になっていると歩幅が合わなくてかえって疲れるとか、せっかく山に来たのに板の上を歩くのは趣に欠けるとか、ステップの脇を歩く人がいれば結局周りの木の根を傷めるとか…。

しかし、稲荷山コースの利用者数は分かりませんが、高尾山全体では年間300万人が訪れるといわれています。東京都にある高尾山。この貴重な自然を守るために冬の間の長い時間をかけて整備していただいたのですから、利用する側も今後10年、50年、100年先を考えなければならないと思いました。

今まさに「マザーツリー」という本を読んでいます。木々は実は根を通してお互いに繋がり、コミュニケーションをとっているのではないか(著者は「とっている」と断言しています)。それには菌根がネットワークを形成し、根でつながることで古い木々が若木の成長を助けているのではないかと書いています(まだ途中なので今後の話しの展開は分かりませんが...)。中心となる古木、それをマザーツリーと呼んでいるのです。

そんな本を読んでから山の中を歩くと、出ている根っこを踏むのも「ごめんね」と思いながらそっと歩くようになりました。

今回、板敷きのステップを歩きながら、この地中深くで植物たちはどんな繋がりをもって、どんな会話をしてこの山を作っているのだろうと思いを巡らせました。植物の会話を聞いてみたいと思いました。

木々の会話を考えながら、清滝駅横の登山口に到着しました。ちょうどお昼でした。

京王高尾山温泉「極楽湯」

以前からずっと行ってみたかった駅に隣接する高尾山温泉「極楽湯」に行ってみました。

お昼なのできっと空いているはず、の期待も虚しく、女湯には大勢の人がいました。(休日に比べたら空いている部類に入るかもしれません)

5種類くらいあるお湯を楽しめます。私が個人的に良かったのは露天炭酸石張り風呂でした。人工の炭酸温泉ですが、ぬるめで入っていると肌の上に小さな泡がびっしりとつきます。血行が促進されそう!という気分になります。

一度入ってみたかった温泉!

エピローグ

沖縄ではもう梅雨入りが発表されました。その前に念願の小仏から高尾山を経て、稲荷山コースを下りるルートを歩きました。少し短めのコースでしたが、時折吹く風も爽やかで気持ちの良い一日でした。

整備後の稲荷山コースも歩いてみました。ここでは植林地は少なく、時期も良かったため周囲の鬱蒼とした木々は美しく生い茂っていました。前述した「マザーツリー」では植林した木々は根も弱く、伸びも悪い。従ってコミュニケーション能力が低いというようなことが書かれています。山の健康とは何だろうと思いました。植林が悪いわけではないと思いますし植林の木々は弱いと決めつけるのは早計に思いますが、科学で実証できなければ誤り、という考え方も違っていると思っています。

ただ山を歩きたい今の私にできることは自然を大切にしながら仲良くしてもらう事。「私」も素は自然界の中の一生物に過ぎない事を肝に銘じなければならないと感じました。