2025年3月に予定していた武甲山へのチーム登山。サンティアゴ巡礼をご縁に時々ご一緒に登山をする面々です。天候に恵まれず二回の延期のあと、三度目の正直で登ることができました。
当初晴れマークが付いていた予報がみるみる変わり、前日には曇りマークになり、しかも午後からは雨マークまで出てしまいました。
それでも雲の合間から少しでも太陽が出ることを願って決行です。
行程 10.1km 6時間16分
一の鳥居 → 一五丁目登山口 → 大杉の広場 → 武甲山御嶽神社 → 武甲山山頂 → 武甲山御嶽神社 → 長者屋敷 → 浦山口駅
横瀬駅から一の鳥居まではタクシーを利用しました。料金は2,500円で事前予約をしていました。横瀬駅からは歩くこともできるようですが、自動車道を歩くことになり、時間的にもおよそ90分かかります。途中には多くの採石加工場があります。タクシーの運転手さんによると、特に平日はトラックの往来が激しいので歩くのには不向きという事でした。
一の鳥居には駐車場があり、トイレが完備されています。
少しでも良いお天気での登山がしたい!の願いも届かず出発時から雨になってしまいました。このため、駐車場の軒下で雨具を身に着けてから9時35分にスタートです。
武甲山の登山道には丁石があります。頂上に近い御嶽神社は五十二丁目になります。
登山道の全体を振り返ってみると、険しい岩場もなく、急登もほぼ無く、穏やかに登っていく道が続きます。
歩き始めて45分ほどで不動滝に着きました。そこには5リットルのペットボトルが置かれており、体力に余裕のある人は滝で汲んだ水を山頂まで上げて欲しい、という事のようです。残念ながら5リットルを担ぐ体力的余裕はありません。
不動滝に到着した時、駐車場を少し前に出発した若者3人が写真撮影をしていました。一緒に登山をしていたメンバーが「3人の写真撮ってあげるよ」と声をかけたのをきっかけに、撮影会が始まりました。こちらの集合写真も撮ってもらましたが、先に行きかけた若者が「何かのご縁なので一緒に写真撮りませんか?」と言ってくれました。
そこで再度全員集合で撮影会です。まだ20代と思しき3人でしたが、清々しく楽しい一時でした。


武甲山は植林の杉の多い山ですが、様々な木が目を引きます。
途中にある苔むした小さな祠の横に杉が立っていますが、その杉の二つに分かれた幹の間に倒木がすっぽりと引っかかっています。まるで祠を守るかのように...。自然の妙を感じる風景です。
三十一丁目には中が空洞になって立ち枯れた木の中にかわいらしいお地蔵様がいらっしゃいます。
その先の大杉広場の一帯には名前の通りの大杉が何本かあります。カメラのアングルを縦にしてもとても収まらない大杉です。杉の木の周囲も二人が腕を広げても届かないほどです。
三十五丁目には、張り出した根に苔が付き、高さはないものの何とも様の良いどっしりとした杉があります。この大杉は根から幹にかけての姿に魅力があります。
霧雨が降りしきる中の登山は木々が霞み、静かで穏やかな風景です。お日様の光も無いのに草木が雨粒でキラキラしています。





そんな風景を楽しみながら登って行けばあっという間に御嶽神社に到着です。
この日は、御参り前に雨宿りができる屋根の付いたベンチ小屋でお昼を兼ねた休憩です。
登っている間は暑く感じるほどでしたが、暫く座っていると体が冷えてきます。持参した温かいお茶でおにぎりをいただきます。
山頂は休憩小屋横から上がった所にあります。ちょっと山頂らしくないのは金属の柵に囲まれているからですが、その理由はこの後判明します。
残念ながら、山頂からの景色は全く見えませんでした。真っ白でした。
御嶽神社に下りる前に少し寄り道です。フェンス沿いに歩くと門があり、赤字で「関係者以外立入禁止」の看板が出ています。山頂も含めて、このフェンスの反対側は採掘場なのでした。
下山後にYAMAPの登山地図を見てみると、登山道の反対斜面は削り取られて山肌も露わになった武甲山のもう一つの顔があります。フェンスはその二つの領域を分けるための物でした。
御嶽神社をお守りするのは狛犬ではなくオオカミです。左右に阿吽のオオカミが控えています。登山させていただいた御礼と無事の下山をお願いして帰路につきます。





帰路はずっと下りが続きますが、こちらも穏やかな道が続き、岩場と呼べるようなところはありません。ただし、この日はずっと雨だったので足元には十分注意しながらの下山となりました。
浦山口駅に向かうこの下山道にはいくつかの橋と、渡渉と木梯子がありました。いずれも注意して通れば危険ではありません。
この時期はキノコが見ごろをむかえていました。あちらこちらに様々な種類のキノコが生えています。見極められないので、触らないように写真だけを撮りました。




川のせせらぎの音が聞こえ始めたらゴールは近くですが、ここから浦山口駅までの林道は長く感じられる道でした。
途中には以前に訪れた秩父三十四観音霊場の二十八番札所、石龍山・橋立堂があり、その横には立ち寄ったことがある、お蕎麦とこんにゃくの味噌田楽が美味しい「土津園」がありますが、この日は閉まっていました。
ここから浦山口駅までは15分ほどですが、駅に着いたのは電車が来る時間の4分前でした。(この電車を逃すと次は1時間後です!)
最後までしとしとと霧雨が降る1日になりましたが、チーム登山の楽しさもあり、雨の山もなかなか良いな、と思える山行になりました。

今回の動画をInstagramに掲載しています。そちらもご覧いただければ幸いです。 武甲山
