日程の組み方と体力づくり

Santiago

日程の組み方(フランス人の道)

歩く日数や距離は自分次第!

巡礼の旅といっても、必ずしもルートの全てを歩く必要はありません。

歩きたい区間だけを歩いても良いし、日数を決めて歩けるだけ歩いても大丈夫です。

実際に1年に1週間だけ歩ける距離だけを歩くというスペインやヨーロッパの巡礼者に多く出会いました。

個人旅行

私は航空チケットは旅行代理店を通じて購入しましたが、その他はすべて個人で手配して、Saint Jean Pied de PortからSantiago de Compostelaまでの「フランス人の道」およそ780㎞を37日間かけて歩きました。

宿は初日のフランスの宿については事前に日本からネットで予約しました。

その他は前日、もしくは2・3日前に電話、もしくはネットで予約していきました。

巡礼は行った先々で空いている*albergue(巡礼宿)を捜し歩くのも醍醐味、という人も多くいますが、後の項目に記載する状況によっては事前の予約が不可欠になりました。また、自分の歩く速度や疲労度によって予定を変更しながら歩けるのも自分で計画するメリットになります。

ツアー

ネットで検索すると行程の計画・予約・手配を行ってくれる業者が多くあります(日本に全行程をカバーするエージェントがあるかは不明です)。

メリット:ホテルの予約、朝食・夕食の手配(レストランの予約など)、荷物の配送の手配を行ってくれるそうです。巡礼者は歩くことに専念ができます。

デメリット:ツアーで歩いていた巡礼者の話しでは一度決めた日程は変更できない。歩けなくなればその間はタクシーなどを使っても決められた場所まで必ず行かなければならない。また、良い町だと思ってのんびりしたくとも、宿泊を延長したりなどできないようになっているらしいです。

*Albergue :スペインでは巡礼宿の事をアルベルゲAlbergue またはRefugioと呼ぶ。アルベルゲに宿泊するためには、巡礼者の証しである巡礼手帳「クレデンシャルCredencial」が必要となる。アルベルゲには公営と私営がある。公営のアルベルゲは予約できず、その日に受付をした先着順となっている。 私営では一部予約ができるところもある。(「聖地サンティアゴ巡礼―日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会著」より抜粋)
Hospitalero :albergueの世話人 (同上)
宿泊施設はalbergueの他にParador, Hotel, Hostal, Pensionなどがあります。

ガイドブック

使用したガイドブック

聖地サンティアゴ巡礼 – NPO法人日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会【著】
 Camino de Santiago (St. Jean Pied de Port – Santiago de Compostela) maps
 By John Brierley

行程表 (友の会HPより抜粋)

フランス人の道行程表

ガイドブックの他に簡潔な情報として日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会(以下「友の会」)のホームページからダウンロード可能な「フランス人の道の行程表」を活用しました。

この行程表には距離だけでなく高低差も記載されています。また、宿泊施設の多い町、商店のある町なども一目でわかります。

実際に持って歩いたのは行程表のコピーとCamino de Santiago-maps一冊で、聖地サンティアゴ巡礼は事前に読み、必要事項はポストイットに記入してCamino de Santiago-maps の該当するページに貼っていきました。Camino de Santiago-mapsには高低差がグラフで表示されているので行程表と合わせてみると便利です。

行程表では34区間になっていますが、私は途中で休息日を設けたり、長い行程を2つに分けて短くしたり、後半では雨の時期に入り1日の距離を20㎞以下に短く設定したため34区間を37日間かけて歩きました。

個人の1日の行程は、約20kmとして、
6:00  起床
7:00  出発(日の出は8:30頃なのでヘッドライトを使用しました)
8:00 – 9:00  途中の町で朝食(トイレ休憩を含む)
12:00頃  途中の町で休憩 (トイレ休憩を含む)
13:30 – 14:00  当日の宿泊地に到着 宿へのチェックイン
13:30 – 15:00  昼食
15:00 – 17:00  散策、シャワー、洗濯、翌日の準備など
13:30 – 17:00の間、ほとんどの商店は閉まっています。
17:00- 19:00 食料や備品などの購入はこの時間帯
19:00 – 21:00 夕食・就寝準備

※ スペインの食事の時間は昼食が13:00- 13:30スタートで15:00 – 16:00ごろまで。夕食はレストランのオープンが19:00 – 19:30になりますので、食事が始まるのは19:30 – 20:00になります。
またalbergueでは、早いところでは21:00 – 21:30には消灯されるところもありますので、その前に翌日の準備が必要になります。

情報収集

友の会では個別相談会(有料)も行っています。 装備品や日程など事前に相談会などを通じて情報収集することが可能です。 (友の会について

ブログや主に欧米人ですがYou Tubeなどでも様々な情報が発信されています。中には同じようにseniors対象の動画も配信されています。例えば “I’m a Senior, Which Camino is Right for Me?”などです。

それぞれの考え方は尊重されて良いと思いますが、新鮮な感動を得たいと事前にガイドブックなどは一切読まないという巡礼者と多く会いました。私はセキュリティを鑑みて様々な情報収集をしてから出発しました。 

 
日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会HP : https://camino-de-santiago.jp/

体力づくり

様々な巡礼の方法があっても実際に長い距離を歩くことには変わりありません。

筋力が低下している60sとしては事前の体力づくりやトレーニングは大切です。 

その為には

“お散歩とウォーキングは別物”の意識で。

「私」の場合は最初は巡礼が目的ではありませんでしたが1年半前から毎日のウォーキングから始めました。毎日6㎞を約1時間で歩き、機会があれば近くの低い山やハイキングコースを積極的に歩きました。早く歩くことが目的ではなく、筋肉をちゃんと使った歩きを心掛けました。

持っている物を活用しましょう!

体組成計

体重計についている機能を活用!

体組成計で体重・体脂肪率・基礎代謝を毎日測定記録し、グラフに落とし込みました。

この他にBMI、内臓脂肪、筋肉量、骨量、水分量を日々チェックすることでウォーキングをトレーニングとして捉えられるようになりました。

スマートフォン

距離や歩数だけでなく歩幅やスピードを意識することでウォーキングと「お散歩」は別物の意識を持つようにしました。

スマートフォンに搭載された「ヘルスケア」でその日の歩行距離、歩数、速度、歩幅などをチェック。

実践的に荷物を背負ったトレーニングも必要でしたが、時間切れでした。この準備不足が後に実際のCaminoで立証されることになります。

Camino de Santiago巡礼路を歩く目的はそれぞれです。ロングハイキングとしてスポーツと捉えて歩く人、人生の区切りとしてまた人生の振り返りとして一人の時間を得るために歩く人、宗教的な理由で歩く人、世界の人との交流を目的に歩く人。そしてその目的に沿って歩き方も十人十色です。荷物を自分で背負い行った先々でalbergueを探して歩く人もいれば、次に紹介するシステムで大きな荷物は送る人。荷物を送って更に体力に合わせて歩けるところまで歩いてそこからはからタクシーを手配する人。 所々バスを利用して大きな町だけを巡る人などです。 

実際に巡礼者と話しをすると、目的や方法は様々でも「それがその人のCaminoだから、それで良い」と話していたのが印象的でした。どのような歩き方をしてもCamino de Santiagoは巡礼者を寛容に受け入れてくれます。 楽しみながら歩きましょう!