宿選び
前項の日程の組み方(フランス人の道)や持ち物の選び方(軽量化)で記載したように、巡礼路には様々な宿があります。
Albergue : スペインでは巡礼宿の事をアルベルゲAlbergue またはRefugioと呼ぶ。アルベルゲに宿泊するためには、巡礼者の証しである巡礼手帳「クレデンシャルCredencial」が必要となる。アルベルゲには公営と私営がある。公営のアルベルゲは予約できず、その日に受付をした先着順となっている。 私営では一部予約ができるところもある。(「聖地サンティアゴ巡礼―日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会著」より抜粋)
上記のalbergueの他にhostal, pension, hotelなどです。 宿泊料もそれぞれ違います。
公営Albergue
料金 €6から€10くらい – Donativoと言われる「寄付」の所もあります。
(寄付の考え方については友の会のガイドブックを参照してください) 先着順で予約不可
私営Albergue
料金 €12から€15 – 多くの場合は予約可 (電話またはBooking.comなどのウェブサトで)
Pension, Hostal, Albergue private room
料金 €40前後 – シングルルーム、ダブル・ツインルームに関わらず料金にひらきがありますが概ねこの料金になります。
Albergueの中にもbed in dormitory(大部屋のベット)とprivate room(個室)の2種類を備えているところがあります。
Pension, Hostal, Albergueのいずれでも施設によってバス・トイレ共用だったり、部屋についていたりしますが予約の際にウェブサイトで確認でき、ほとんどがネット予約可能です。
Hotel/Parador
料金 €60~ – 大きな町の人気のホテルは予約の取りにくいところもあるようです。
またフランス人の道にはいくつかのparadorがありますが、事前の予約は必要だと思います。
(目安の料金は2022年11月現在)
巡礼の雰囲気を満喫したければalbergueがお勧めです。宿についてから同じ巡礼者との交流もできますし、情報交換の貴重な場でもあります。
また、多くのalbergueはキッチンや食堂があり、自炊することができます。
ただ、private room以外はプライバシーはなく、公営・私営を問わず寝るところもバス・トイレも男女共用の所も多くあります。交流できる一方で貴重品の管理などは各自が緊張感をもって行わなければなりません。
時には少し静かに過ごしたいという人や他の人のイビキで眠れない日々が続いた時などはPension, Hostal, Albergue private roomがあります。これらは一部屋の料金なので、出費を抑えるために現地で知り合った巡礼者同士でバス・トイレ付のツインやトリプルを借りてシェアする人も多くいました。
Albergueのベット
Albergueの場合、予約の際に2段ベットの下段を希望しても必ずしも下段にならない場合もあります。夜中に起きるからとか年齢を理由に下段をリクエストしていました。考慮はしてもらえますが高齢者やけが人がいた場合など、当日の状況によっては希望通りにならないこともあります。そんな時は譲り合いの精神で解決していました。
多くのalbergueは2段ベットになっていて、ほぼ男女共用の部屋です。
いずれも1泊€12
Albergueの中には個々のベットが囲われてプライバシーが保たれている所もありますがごく少数です
1泊€17
ベッドが平置きになっているalbergueも少数派です
1泊€14
様々な個室
2件はそれぞれバス・トイレは共有
1泊€40
Private room バス・トイレも個室内にあります
1泊€45
Albergueのシャワールーム
Albergueのシャワールーム
この中で脱衣、シャワー、着替えを完結させます。S字フックを使って、荷物はそこにかけます。外にフックがある所もありますが、貴重品は必ず中へ。
ここでS字フックが活躍します
4人1部屋のalbergueのシャワー・トイレ室
私以外は男性の相部屋でした
宿泊者共用のシャワー・トイレ室
バックパックを配送システムで送る場合、送り先の確定が必要ですので、私は先着順の公営albergueを諦めて予約ができる私営のalbergueを選びました。(朝早くに出発し、場所を確保すると決めて公営に送っている人もいるようです)
当初は前日に次のalbergueを予約していましたが、区間によっては混みあって予約が難しい所もありましたので、その際は3・4日先まで予約をしていました。
それぞれの事情で宿泊先は違ってきますが、選択肢があるという事ですので自分に合った宿泊先を決めるのが良いと思います。
ランドリー(洗濯)
巡礼の間は限られた荷物で過ごすため、衣類については日々の洗濯がかかせません。
手洗い
Albergueには洗濯場があり、手洗いの場合の洗濯場の使用は無料です。(洗剤がある所とない所があります)
手洗いの際には洗濯ネットがあると泡立ちが良かったり衣類の仕分けの袋も兼ねられるので便利です。
ロープや物干し台など、ほとんどの所では干し場が完備されています。ただし、私が歩いた9月10月になると早い時間にalbergueに着いて洗濯をして且つお天気が良くないと夜までにはなかなか乾きません。
巡礼路でバックパックの後ろに靴下(時々その他の物も…)を下げて歩いている巡礼者を見かけるのはそのためだと思います。
有料のランドリー
多くのalbergueには洗濯機と乾燥機があり有料で使用することができます。
自分で洗濯機・乾燥機を使うところと、hospitaleroに洗濯物を渡して、洗濯・乾燥を頼む場合がありますが、いずれもほとんどの所で洗濯が4€から5€、乾燥が3€から4€です。
尚、洗濯機だけ使用して干すことはできますが、手洗いした洗濯物については乾燥機は使わせてもらえません。
洗濯機・乾燥機の有無はウェブサイトで確認できます。
コインランドリー
少し大きな町ではコインランドリーがあります。
Hospitaleroに聞くかGoogle mapに「lavanderia de autoservicio」と入れると、近くのコインランドリーを検索することができます。
こちらも料金はalbergueとほぼ変わらず洗濯機が4€、乾燥機は2€から3€です。(洗濯機の大きさによって異なります)