持ち物の選び方(軽量化)
巡礼は必要な最低限の物をバックパックに入れて、自分で担いで歩くのが基本です。
日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会(以下「友の会」)の相談会で推奨されたのは、バックパックも含めて(当日持って歩く水や食べ物も含めて)7kg以下。
友の会のホームページに掲載されている「旅の必需品」リストを参考に所持品を揃えましたが、バックパッカー初めての私がリストに沿って荷物を揃えると約9.5kg(水や食料を入れずに)になりました。大ピンチです。
軽量化
減量を考えましたがどうして良いのか分からず、Ultra Light専門店のHiker’s Depot(東京都三鷹市)で相談にのっていただきました。
本当に必要な物の考え方や選び方を教わり3kg減量することができました。Ultra Lightという考え方との衝撃的なそして感動的な出会いでした。
バックパックもUltra Light(GOSSAMER GEAR/ GORILLA50/ 863g Sサイズ)を購入しました。
持ち物の考え方から教えていただき、減量された装備品は下の写真のようになりました。
この時のプロフェッショナルなアドバイスが無ければ私はスタート地点にさえ立てなかったと思っています。
*日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会 https://camino-de-santiago.jp/
*Hiker’s Depot URL: https://hikersdepot.jp/ この他、Facebook・Twitterもあります。
バックパックを入れても7kg弱になりましたが、実際の歩きではトライしたものの、残念ながら山登りも超初心者、ロングハイクの経験もなく、バックパッカーは生まれて初めて、身長が自称150cmの62歳には約7kg荷物を担いで20kmを歩くことは体力的にできませんでした。
7kgが担げずに20kmを過ぎたところでバックパックを下ろして敢え無く座り込んでしまいました。明らかにトレーニング不足でした。
バックパック配送システム
そこで利用したのが「Transporte de mochilas」と呼ばれるバックパックの配送システムです。
巡礼路、特に「フランス人の道」ではこのシステムが確立しています。
使い方 : 当日の朝、albergueの所定の場所にお金を入れた封筒をバックパックに括り付けておけば、配送業者がピックアップして次のalbergueに運んでくれるます。
ほどんどの場合、事前の予約は不要でネットを使うこともありません。
そして巡礼者がalbergueに着く前には大抵は荷物が着いています。
巡礼者は必要最低限の荷物をサブバックパックに入れて2kg – 3kgの荷物で歩くことができます。私はサブバックパックもUltra Light(103g)を選んでもらい、道中これを使用しました。
Transporte de mochilaのシステムについて
Albergueおよび巡礼路の宿泊施設にはTransporte de mochilaの業者の封筒が必ず常備されています。
また、一度使うと業者が次の分の封筒を入れておいてくれることもあります。
巡礼者はその封筒に必要事項を記入し、中に所定の料金を入れて封をして自分のバックパックに括り付け、albergue又は宿泊施設の所定の場所に決められた時間までに置いておきます。早朝の出発でも所定の場所に置いて出発できます。
ここで注意点が3つあります。
- 置き場所を事前に*hospitalero(巡礼宿の世話人)に確認する。
- 記入した封筒の写真を必ず撮っておく(写メする)。万一、到着地のalbergueに荷物が着いていなかった場合、hospitaleroにその写真を見せれば捜索を手配してくれます。
- 小さいalbergueの場合、こちらから連絡しないと業者がピックアップに来ない場合があります。事前にhospitaleroに集荷があるか、自分で手配するのかを確認します。集荷の手配を自分でするのが難しい場合はhospitaleroに頼むことができます。
- もう1点つけ加えるならば、同じ業者の封筒でも、行程が進むにつれて種類が変わっていきますので、封筒はその時その時のalbergueにあるものを使います。
このシステムは予約も不要なので山越えの時、体調が悪い(腰が痛い!膝が痛い!など)時、雨の時だけ利用することもできます。
Transporte de mochilaの 料金
- フランスのSaint Jean Pied de PortからスペインのRoncesvallesまでは1区間として8€
- RoncesvallesからSarriaまでは行程表の1区間5€
- SarriaからSantiago de Compostelaは行程表の1区間4€
- ただし、行程表(前項目の行程表を参照)のEtapa(区間)が2つにまたがる場合は料金も倍になります。歩く距離が行程表と大きく変わる場合は業者に料金を確認した方が良いでしょう。(因みに距離が短くても安くはなりません!)
(料金は2022年10月現在)
封筒にお金を入れて封をしたらこのようにバックパックに括り付けておきます
荷物を送れるならばあれもこれも持っていきたい、と思うかもしれません。また、送れるならスーツケースを持っていけばいい、とも。
Albergueの中には、スーツケース(キャリーバックを含む)の受取りお断り!の所もあります。Albergue側としてはスーツケースの受取りが煩雑であったり、理念としてスーツケースを持ってまわるならそれは巡礼者ではなく「旅行者」なのでホテルに泊ってください、という考え方です。
加えて、albergueの中にはスペースが狭く広げる場所がない所も多くありますので必要最低限の物をコンパクトにバックパックに詰めて行くのが良いと個人的には思いました。
そして、配送ができるといっても自分で荷物を持たなければならない場面も考慮する必要があります。
荷物の長期保管システム(Correos)
Santiago de Compostela – Correosでの荷物保管について
「私」は巡礼の旅が終わった後にMadridにしばらく滞在することを考えていましたので、スーツケースも持っていきました。
そこで利用したのがCorreos(郵便局)の荷物保管サービスです。
スペイン国内のCorreos(郵便局)からSantiago de CompostelaのCorreos(郵便局)に荷物(段ボールやスーツケースも送れます)を送り、巡礼の間保管してもらうことができます。
保管期間
保管は15日間、30日間、45日間と選ぶことができます。
私の場合は巡礼開始前にPamplonaからスーツケース1個をSantiago de Compostelaに送り45日間で保管してもらいました。尚、郵便局で長期間保管サービスがあるのはSantiago de Compostelaだけだそうです。
保管料金
下記の送付・受取票(抜粋)にもありますが料金は€35.95でした。
巡礼者用の料金設定があると事前に聞いていました。名前の後にPEREGRINA(巡礼者)と書いてありますので、巡礼者用の料金が適応されているようです。
送る際にパスポートの提示を求められましたが、口頭で巡礼者であることを告げた以外にCredencial(巡礼証明書)を見せたりなどの手続きは特にありませんでした(巡礼開始前ですので、巡礼証明書を持っていない人もいます)が、受取りの時には、はっきり覚えていませんが、パスポートと巡礼証明書を見せた記憶があります。
因みに、巡礼中の荷物の軽量化のため途中からでも不要になった荷物などを同様に送ることができます。
Correosで段ボールを購入できるので、その中にいれてSantiago de CompostelaのCorreos宛てに送ることができます。
日本からスーツケースを持っていくと機内に持ち込めない巡礼に必要なストックなどを持っていかれるというメリットもあります。